3秒で完売約249万ウォンのターンテーブル

10月30日(金)、韓国の通販サイト29CMにひとつのターンテーブルが登場しました。テクニクスのターンテーブルとフリッツ・ハンセンのランプを組み合わせた、249万9千ウォンのセットです。販売開始から3秒で売り切れました(ヘラルド経済、11月6日)。何が売られ、なぜこんなに早く売れたのか、記事を集めてまとめました。

バーガンディのテクニクス SL-40CBTFH と同じ色の KAISER idell ランプを上から見たところ
バーガンディのターンテーブルとランプ。写真:Fritz Hansen A-S プレスリリース(PR TIMES、2026.10.30)

何が売られたのか

セットはふたつの製品でできています。日本のオーディオブランド、テクニクスのターンテーブルSL-40CBTFHと、デンマークの家具ブランド、フリッツ・ハンセンのテーブルランプKAISER idell Luxus 6631-T。韓国での販売はパナソニックコリアが担当し、セットの希望小売価格は249万9千ウォンです(EBN、10月29日)。

ヘラルド経済の見出しは「249万ウォンのターンテーブル」ですが、プレスリリースを見るとこの価格はターンテーブルとランプを合わせたセットの値段です(EBN)。海外では事情が少し違います。Gear Patrolはふたつをペアで売るわけではないと書いており、日本でも別々に売られました(下の「日本は別売り」)。セットで出たのは韓国だけと確認できました。

オンラインは29CMの独占販売。店頭では10 コルソ・コモ、フリッツ・ハンセン緑莎坪(ノクサピョン)店など、いくつかの店舗だけで売られました(ヘラルド経済)。

世界300台、韓国には30台

ヘラルド経済は、このコラボ製品は世界で300台だけ作られ、韓国には30台が入ってきたと伝えています。そのうち8割以上を29CMが確保しました(ヘラルド経済)。韓国30台が基準なら、24台以上という計算です。

海外メディアは数を分けて書いています。ターンテーブルが300台、ランプは200台で、ランプはアジアとヨーロッパにだけ割り当てられました(StereoNET、6月10日 · The Gadgeteer、6月12日 · Gear Patrol、6月11日)。アメリカではターンテーブルをテクニクスのルートで買えますが、ランプの割り当ては発表されていません(The Gadgeteer)。

何台が何秒で売れたのかは、販売元が発表していません。「3秒」はヘラルド経済の報道に出てきた数字です。

日本は別売り

日本でも韓国と同じ10月30日に発売されました(PR TIMES、10月30日)。日本ではセットではなく、ひとつずつの販売。ターンテーブルは148,500円、ランプは137,280円で、どちらも税込です(PR TIMES · LWL online、11月2日)。

ターンテーブルはパナソニックの公式通販「Panasonic Store Plus」限定モデルです(パナソニック、10月1日)。ランプはフリッツ・ハンセンの店舗での販売。南青山の直営店FRITZ HANSEN TOKYOをはじめ、札幌、京都、大阪、広島、福岡、熊本など12か所でふたつの製品が展示されました(PR TIMES)。

日本に何台割り当てられたかは、どの資料にもありませんでした。パナソニックの発表も「全世界300台限定」までです。完売したという報道も見つかりませんでした。大阪の店舗は10月31日のブログに、在庫は問い合わせてほしいと書いています。

アメリカではテクニクスの公式ストアにターンテーブルが1,199ドルで載っています(Technics US)。通常のSL-40CBT(899.99ドル)より300ドルほど高い値段です。

暗い床の上のバーガンディの SL-40CBTFH。スリップマットに FRITZ HANSEN の文字
SL-40CBTFH。スリップマットと右下の金属プレートにフリッツ・ハンセンのロゴ。写真:Fritz Hansen A-S プレスリリース(PR TIMES、2026.10.30)

音はそのまま、変わったのは色

ベースになったSL-40CBTは、2025年秋に出たテクニクスのエントリー向けターンテーブルです。CEDIA 2025でアメリカ価格899.99ドルで発表され、2026年のレッド・ドット・デザイン賞でBest of the Bestを受賞しました(The Gadgeteer)。

モーターがプラッターを直接回すコアレス・ダイレクトドライブ方式で、S字トーンアームを備えています(EBN)。フォノアンプ内蔵なのでスピーカーに直接つなげて、Bluetooth(aptX Adaptive)でワイヤレススピーカーやヘッドホンに送ることもできます(The Gadgeteer · StereoNET)。プラッターは直径300mmのアルミダイキャストで、33⅓回転と45回転に対応(The Gadgeteer)。

フリッツ・ハンセン エディションは中身がほぼ同じです。目に見えて変わったのは3つ。ターンテーブルとランプを同じマット・ディープバーガンディで塗り、台座にフリッツ・ハンセンのロゴ入り金属プレートを付け、フリッツ・ハンセンのスリップマットを敷きました(EBN · Gear Patrol)。StereoNETは、大きな技術アップデートではなく限定のデザインワークだと評しています。

ひとつ違うのはカートリッジです。PHILE WEBによると、通常モデルのオーディオテクニカAT-VM95Cの代わりにオルトフォン2M Redを付けています(PHILE WEB、10月1日 · Gear Patrol)。

通常モデルはブラック、テラコッタブラウン、グレー(The Gadgeteer)。のちにブルーとホワイトも出たそうです(StereoNET)。

丸いシェードと曲がったクロムのアームがついたバーガンディの KAISER idell テーブルランプ
KAISER idell Luxus 6631-T バーガンディ。写真:Fritz Hansen A-S プレスリリース(PR TIMES、2026.10.30)

ランプは1936年、バウハウス生まれ

セットのもう半分、KAISER idellランプはクリスチャン・デルが1936年にデザインしました(EBN · StereoNET)。デルは1922年から1925年までワイマールのバウハウスで金属工房を率いた銀細工師です。このランプは1936年にカイザー社(Kaiser & Co.)のカタログに初めて載り、デルは戦前ドイツの照明デザインを代表する名前になりました(The Gadgeteer)。

今はフリッツ・ハンセンがこのランプを作っています。通常の仕上げはブラック、マットブラック、ホワイトで、アメリカでの価格は1,200ドル前後です(The Gadgeteer · Gear Patrol)。2026年は、このランプが生まれて90年目の年です(StereoNET)。

なぜ一緒に作ったのか

ふたつのブランドが掲げたのは「光と音」。光も音も、建物の構造には手を加えずに空間の雰囲気を変える、という考えです。フリッツ・ハンセン アジアCEOのダリオ・ライヘルはこう話しています。"Sound and light both change how a space feels without touching its structure."(StereoNET)

テクニクスの小笠原亮は音楽を「時間の芸術」と呼びました(StereoNET)。ふたつの製品は6月、コペンハーゲンのデザインイベント「3 Days of Design」で、フリッツ・ハンセンの「Sound Club」展示として初公開されました(StereoNET · Gear Patrol)。

誰が買ったのか

購入者の年齢は公開されていません。代わりにヘラルド経済が29CMのデータを載せています。今年1〜10月、29CMのインテリアカテゴリー「29HOME」で100万ウォンを超える商品の取引額が前年同期より111%増えました。2024年と比べると3倍以上です。同じ期間、100万ウォンを超える商品を買った客の数も55%以上増えています(ヘラルド経済)。

今年7月にオープンサーベイが韓国の10〜30代2,000人に聞いた調査もあります。1回の買い物で使う平均額は29CMが10万4千ウォンで、主なファッション通販の中でいちばん多い結果でした。ムシンサが7万6千ウォン、ジグザグが5万9千ウォン、エイブリーが4万7千ウォンです(ヘラルド経済)。

ヘラルド経済は、レトロブームに乗って、LP世代だけでなく若い層もターンテーブルに関心を持っていると書いています。インテリアとして置けるデザイン性の高いターンテーブルが注目されている、と。

ソウルで大きなスピーカーを聴くなら

カートリッジ以外、このターンテーブルの中身は通常のSL-40CBTと同じです。バーガンディにこだわらなければ、通常モデルでほぼ同じ音が聴けます。

ソウルに来たら、大きなスピーカーでLPを聴ける場所もあります。城北洞のリホール・ミュージックギャラリーにはLPが12万枚ほどあり、入場料はドリンク1杯付きで1万ウォン。仁川空港に近い永宗島のベートーヴェンハウスのミュージックホールは、1万5千ウォンで1日出入りできます。龍山のソウル文化芸術教育センターには無料のLPリスニングスペースがあります。

出典

写真はフリッツ・ハンセンがPR TIMESに出したプレスリリースの写真です。2026年11月8日時点で読んだ記事にもとづいています。メディアによって数の数え方(セット300台か、ターンテーブル300台とランプ200台か)と売り方(セットか別売りか)が少しずつ違うので、違うときはどのメディアの話かを書きました。

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約249万ウォンのターンテーブルが、韓国で3秒で完売 · BONBLE classic